プールの進級テスト


たしか小学校5年生くらいの頃の話。
夏、プールの時期に学校のプール授業で、進級テストがあった。
テストの時だけは6コースある25mプールの半分
3コースと4コースの間に1本だけコースロープがあって、
2人ずつそれぞれのコースを泳いで、次の級にチャレンジするというもの。


当時は近くにスイミングスクールもなかったりしたので、今の子供たちのように
小学校に上がる頃にはみんな泳げるって状況ではなかったので、まあ、泳げる子は泳げる。
泳げない子もけっこういた。

あたしはというと、「泳げない子」

しかも5年生にしてまだ25mも泳げなかった😱

いっくら頑張っても20mがいいとこ😨
なので、いつも25mの壁があたしの前に立ちはだかっていた。
しかも水の中で目も開けられないという致命的な状況😰


そんなあたしの順番が回ってきた。
スタートして、まあ、いつものように泳ぐ。
途中、友だちの声援が聞こえる。
◯◯ちゃ〜ん(コレあたし)がんばれ〜!あと少し!
がんばれ!ガンバレ!*\(^o^)/*


そろそろ苦しくなってくる頃だなあ(たぶん20m付近)
目も開いてないのによくわかる😅
でも、みんなが応援してくれてるからか、いつもより全然楽だ。


あれ?手がついた🎵
すごいぞ!やったあ 25mだ(自己ベスト?)
でもまだ行けそうだ。
そこで調子に乗ったあたしはターンをした。(ただ向きを変えただけ)
よし!こうなったら行けるとこまで行っちゃえ。


そのあたりから声援がものすごく大きくなった。
みんなが応援してくれてるからがんばっちゃお。


いや、違うな・・コレ
なんか変だ・・・。


声援というより悲鳴に近い。
なんか変だけど、なんだろ。
そのうち「ちがうよ〜!」っていうのと、「止まって〜!◯◯ちゃん!」が
同時に聞こえた。
ただならぬ空気を水の中でも感じた💦
まだもう少し行けそうだったから立つのはもったいない気がしたが
とりあえず水の中で立ってみた。


立って目を開けて見えた景色は想像していたのとほぼ同じだった。
25mを折り返したんだから当然スタートした方を向いている。
えっ?どうしたの?
なんだか知らないけど、全員大爆笑している💦


友だちの何人かがあたしのそばに走ってきた。
「もうびっくりしたよ。どこ行っちゃうのかと思って(笑)
( ゚д゚なんだって?
泳いでただけなのに、どっか行っちゃうなんてことある?
全く意味がわかんない・・・。


どうやら、あたしは20m近くまで泳いだあと突然フラフラと
急に斜めに曲がり出して、手がついたと思ったとこはプールサイドの壁だったらしい。
そのまま25mを目指すこともなく突然Uターンしてスタート地点へ向かって逆に
フラフラと泳ぎ続けた・・・(と言うより漂った)が近い💦


そういえばプールの真ん中のコースあたりでスタートしたはずなのに、泳ぎをやめて
立った場所はほぼプールサイドギリギリだった。


もう、超ハズカシイ😱😱
という、若くして『黒歴史』を作ってしまったのはあたしです😭


そんな珍事件の翌年、家の近くに新しい小学校が開校した。
当時通っていた小学校から三分の一くらいの児童が新しい学校に移った。
(大きな道路を境に新設校側に住んでいる子達)


その学校の夏に間に合わせるようにできたプール。
夏休み、仲間たちが毎日、プールいこっ!って家に迎えにきてくれたから
一緒に通っていた。
そもそもあまり泳げないから、プールもさほど『わ〜〜い!」って感じでもない。
友達が行くから一緒に行く的な・・・。


夏休みに泳ぎを教えてくれたコーチは若い男の人で学校の先生の息子さんとか聞いた。
そのコーチがなかなかの熱血先生で、教え方もめちゃ上手い。
6年生だったあたしたちは、プールの時間でも午後の1番最後のクラス。
一時間の水泳の後も、希望者は残って泳がせてくれていた。


スイミングスクールとかもいったことのないあたしたちは、初めて
水泳の楽しさを教わった。
水泳の終わりには、毎回その子にあった距離で
じゃ、◯◯さんは100m泳いで帰って。
◯◯くんは200mね
って感じで、最後に長い距離をそれぞれが泳いだ。


最初はけっこうめちゃめちゃ時間がかかったり、苦しかったりしたけど
去年まで、水の中で目も開けられなかったあたしですら、最初50mから
夏の終りには100m、200mをフツーに泳げるようになった。
もちろん、目も開けられるし、行方を心配されることもなくなった(笑)


毎回泳いでるうちに泳ぎも上達するし、何しろ長距離を泳ぎ終えた達成感が
ハンパなかった。
なので、あたしも含めてみんなのその夏はピカイチでプールの楽しかった思い出しかない。


例のあたしの「黒歴史」は封印されることもなく
友達のみんなは一度はあたしから聞かされたと言っているし
大人になってからは、ことあるごとにあたしにネタにされるような
雑な扱いをされることとなった(笑)